この危機を引き起こしたのは資本主義ではない


2013年4月23日、ソーステン・ポライト、THE MATTERHORN INTERVIEW

 Michael Leitner

経済と金融の危機は、資本主義の失敗の結果ですか?


 Thorsten Polleit

それが、おそらく、提起される必要がある最も重要な問いですが、
ほとんど誰も、それを提起していません。
ですから、私は、適切な答えを提供する機会に最も嬉しく思います。
きっぱり言いましょう。
いいえ、この危機を引き起こしたのは、資本主義ではありません。
多くの人々が、あなたに信じさせたがっていますが、
我々が住んでいる世界は、資本主義ではありません。
我々は、干渉主義の世界に住んでいます。
すなわち、政府が市場に干渉し、人々の財産権を侵害し、
それによって、悪いことを行う誘因を人々に与えています。
それが、こんにち我々が直面する困難すべてをもたらしたものです。
もしも、我々が、本当の資本主義を持っていたら、
我々が、現在の問題を持っていなかったことは、確かです。


 Michael Leitner

しかし、我々は、経済学の科学と専門職の失敗を見ているのですか?


 Thorsten Polleit

幼稚園から大学まで、国家による公教育の下、
経済学が、実際に、何もよりもまず、エセ科学になりました。
ほとんどあらゆる職業の人々に対する政府の干渉主義を正当化しています。
ですから、残念ながら、あなたの問いに対する私の答えは、「はい」です。


 Michael Leitner

この危機は、どの原因だと見ていますか?


 Thorsten Polleit

規制の欠如だの、経営者の貪欲だの、不十分な政策調整だの、
そういう、あらゆる種類の原因に言及することが、
経済学者たちの間で、とても流行っていることは、知っています。
しかし、私は、ただ一つの原因を見ています。
そして、それが、紙幣すなわち法定不換貨幣の餌食になっている社会です。
もちろん、福祉戦争国家、多数決投票などを非難することによって、後者を説明してもいいです。
しかし、私は、もしも、人々が、現在の問題の根本原因として、紙幣を理解したら、
我々は、これらの問題に対する解決策へと大きく近寄れると思います。


 Michael Leitner

このシステムは、ひとりでに調整できますか?


 Thorsten Polleit

健全な経済理論、すなわち、オーストリア学派の経済学なら、いいえと告げるでしょう。
法定不換紙幣のシステムは、それ自身を均衡へと戻す調整が出来ません。
法定不換紙幣が、経済的不均衡を引き起こし、必然的に、そうするのですから。
中央銀行たちが、金利を引き下げ、貨幣供給量を膨らませ、
赤字を出して等は、何も不均衡を解きません。
それどころか、そういう方策が、どれも、それらをさらに悪化させます。


 Michael Leitner

銀行救済について、どう考えておられますか?


 Thorsten Polleit

景気後退-不況を回避する手段として、銀行救済を唱えている者たちのことを、
私は、とてもよく理解していると思います。
しかし、オーストリア学派の伝統の中にいる経済学者として、
私は、銀行救済は、この危機を治すことなく、
それをさらに悪化させると言わなければなりません。
市場に対する政府の干渉は、本当の経済問題を覆い隠すかもしれませんし、
それは、その危機の本当の突発を先延ばしするかもしれませんが、
これは、高い代償がつきます、すなわち、将来に、さらに大きな危機です。
法定不換紙幣を用いたことによって引き起こされる損害は、免れません。


 Michael Leitner

ユーロ危機での救済措置は、多かれ少なかれ、ただの銀行救済なのでは?
この場合、主として、ドイツとフランスの銀行たちです。


 Thorsten Polleit

この銀行システムは、部分準備で経営されています。
そして、それが、銀行を取り付けに陥りやすくしています。
したがって、一つの銀行を救済することは、他の銀行たちすべてを益します。
中央銀行たちが、すべての銀行たちに安全網を提供すると想定するのが、
投資家たちの典型ですので。
ですから、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインの銀行たちを救済したことは、
もちろん、イタリア、フランス、ドイツの銀行たちを助けることを意味しています。


 Michael Leitner

世界には、中央銀行たちが必要なのですか?


 Thorsten Polleit

お金は、自由市場から自生的に現れました。
それは、自由市場の現象なのです。
これが、経済学者カール・メンガー(1840-1921)によって提示された説明です。
ですから、そのことについては、健全貨幣を手に入れるためには、
いかなる政府も、いかなる中央銀行たちも、必要ありません。
実際には、その反対が、真実なのです。
政府が、健全貨幣を不健全貨幣に置き換えるのです。
実際、世界中の中央銀行たちは、自由市場のお金を破壊し、
社会の貨幣上の事柄の完全支配を政府に与えるために、政府によって創設されました。
中央銀行たちは、大多数の人々を犠牲にして少数の者たちに役立ちます。
ですから、いいえ、我々には、中央銀行たちは必要ありません。


 Michael Leitner

そもそも、なぜ、中央銀行たちが、金利を設定しなければならないのですか?
それは、自由な市場が行えることではないのでは?


 Thorsten Polleit

法定不換紙幣のシステムでは、お金は、銀行の信用拡大を通して作り出されます。
一方で、それは、法定不換紙幣の生産者たち、
すなわち、政府と銀行産業にとっては、かなり儲かる商売です。
他方で、金利を統制することは、貨幣生産者たちと彼らの受益者たちに、
経済に対する強い掌握を提供します。
すなわち、それは、最大規模の権力を提供するのです。
それだから、そもそも、中央銀行たち(と彼らの受益者たち)は、金利を設定したがるのです。


 Michael Leitner

LIBOR(ライボー)のスキャンダルについて、どう考えておられますか?


 Thorsten Polleit

もしも、国民に、幾分でも、より良い知識があったら、
本当に問題である金利のスキャンダルは、中央銀行たちの市場金利操作だと理解したでしょう。
そうすることによって、中央銀行たちが、最大規模で、経済問題を引き起こしているだけでなく、
多くの他の者たちを犠牲にして、ある者たちを富ませているのだと。
LIBOR(ライボー)の計算で起こったことを掘り下げて調べたいと思われているかもしれませんが、
その問題は、中央銀行たちの市場諸率操作によって引き起こされる害悪と比べたら、
本当に小さいです。


 Michael Leitner

法定不換紙幣の世界は、沈むと思われますか?


 Thorsten Polleit

ええ、「沈む」によって、何を意味されていますか?
法定不換紙幣の購買力が、たとえば、90%下がるということを意味されているのか?
それとも、法定不換紙幣が、1923年に起こったように、破壊されるということを意味されているのか?
両方の場合で、法定不換紙幣は、沈んだと、大いに言えるでしょう。
今、これが、私の考えていることです。
法定不換紙幣たちは、非常に減価します。
あるものは、沈むでしょう。


 Michael Leitner

あなたは、民間貨幣での「自由銀行業」の提唱者です。
それは、何ですか?


 Thorsten Polleit

それは、基本的に、お金の発行は、靴事業、車事業、ファッション事業のように、
自由市場に任せよ、という意味です。
貨幣事業から、政府を取り除け、そして、
どんな種類のお金を人々が保有したいのか、自由市場に決めさせよ。
人々の選択を限定するな。
お金の供給において、人々を制限するな。
特定の人々に政府授与の特権を与えるな。
通貨の自由選択は、起業家たちが、
お金の倉庫事業および信用事業に出入りするのが、自由であることを伴います。


 Michael Leitner

そのようなシステムの有利な点は、何ですか?


 Thorsten Polleit

その問いに答えるには、我々は、
現在の取り決め、すなわち、政府後援の法定不換紙幣体制に対する、
自由銀行業の有利な点について、語らなければなりません。
本当に自由な銀行システムでは、慢性的なインフレ貨幣は、持ちません。
他の多くの者たちを犠牲にして少数の者たちを益するお金は、持ちません。
とても社会に対して有害である好況と不況の景気循環は、持ちません。
結果として起こる過剰負債の頸木(くびき)を持ちません。
経済上、政治上での、その問題すべてを。


 Michael Leitner

良貨は、何ですか?


 Thorsten Polleit

良貨は、自由市場で生産されるお金、自由市場原理に完全に従って生産されるお金です。
後者は、基本的に、個人の財産権に無条件に従うという意味です。
ですから、良貨は、お金の保有者たちが、どの種類のお金を保有したいのか、
自由に決められるという意味です。
それは、自分たちのお金を提供するお金の供給者たちの完全な自由が、
存在するという意味でもあります。
何が、お金であるのかを決めるのは、お金に対する需要です。


 Michael Leitner

金(ゴールド)が、お金(マネー)ですか?


 Thorsten Polleit

私なら、そう言います。
金(ゴールド)が、実際に、支払いの最終手段です。




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